<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 遊悟真寺詩>
<Format: 五言排律>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 漢文無假名>
<style2: 日本漢文訓讀無假名標注>
<TranslatedTitle: 悟真寺（ごしんじ）に遊（あそ）ぶの詩（し）>
<BookPage: 198-219>
<UsedPage: 22>
<Feature: 4>
<End Header>
<Poem>
元和九年秋，
八月月上弦。
我遊悟真寺，
寺在王順山。
去山四五里，
先聞水潺湲。
自茲舍車馬，
始涉藍溪灣。
手拄青竹杖，
足蹋白石灘。
漸怪耳目曠，
不聞人世喧。
山下望山上，
初疑不可攀。
誰知中有路，
盤折通岩巔。
一息幡竿下，
再休石龕邊。
龕間長丈餘，
門戶無扃關。
仰窺不見人，
石發垂若鬟。
驚出白蝙蝠，
雙飛如雪翻。
回首寺門望，
青崖夾朱軒。
如擘山腹開，
置寺於其間。
入門無平地，
地窄虛空寬。
房廊與台殿，
高下隨峰巒。
岩崿無撮土，
樹木多瘦堅。
根株抱石長，
屈曲蟲蛇蟠。
松桂亂無行，
四時鬱芊芊。
枝梢嫋青翠，
韻若風中弦。
日月光不透，
綠陰相交延。
幽鳥時一聲，
聞之似寒蟬。
首憩賓位亭，
就坐未及安。
須臾開北戶，
萬里明豁然。
拂簷虹霏微，
繞棟雲迴旋。
赤日間白雨，
陰晴同一川。
野綠簇草樹，
眼界吞秦原。
渭水細不見，
漢陵小於拳。
卻顧來時路，
縈紆映朱欄。
歷歷上山人，
一一遙可觀。
前對多寶塔，
風鐸鳴四端。
欒櫨與戶牖，
恰恰金碧繁。
雲昔迦葉佛，
此地坐涅盤。
至今鐵缽在，
當底手跡穿。
西開玉像殿，
白佛森比肩。
斗藪塵埃衣，
禮拜冰雪顏。
疊霜為袈裟，
貫雹為華鬘。
逼觀疑鬼功，
其跡非雕鐫。
次登觀音堂，
未到聞栴檀。
上階脫雙履，
斂足升淨筵。
六楹排玉鏡，
四座敷金鈿。
黑夜自光明，
不待燈燭燃。
眾寶互低昂，
碧佩珊瑚幡。
風來似天樂，
相觸聲珊珊。
白珠垂露凝，
赤珠滴血殷。
點綴佛髻上，
合為七寶冠。
雙瓶白琉璃，
色若秋水寒。
隔瓶見舍利，
圓轉如金丹。
玉笛何代物，
天人施祇園。
吹如秋鶴聲，
可以降靈仙。
是時秋方中，
三五月正圓。
寶堂豁三門，
金魄當其前。
月與寶相射，
晶光爭鮮妍。
照人心骨冷，
竟夕不欲眠。
曉尋南塔路，
亂竹低嬋娟。
林幽不逢人，
寒蝶飛翾翾。
山果不識名，
離離夾道蕃。
足以療饑乏，
摘嘗味甘酸。
道南藍穀神，
紫傘白紙錢。
若歲有水旱，
詔使修蘋蘩。
以地清淨故，
獻奠無葷膻。
危石疊四五，
靁嵬欹且刓。
造物者何意，
堆在岩東偏。
冷滑無人跡，
苔點如花箋。
我來登上頭，
下臨不測淵。
目眩手足掉，
不敢低頭看。
風從石下生，
薄人而上摶。
衣服似羽翮，
開張欲飛鶱。
雙雙三面峰，
峰尖刀劍攢。
往往白雲過，
決開露青天。
西北日落時，
夕暉紅團團。
千里翠屏外，
走下丹砂丸。
東南月上時，
夜氣青漫漫。
百丈碧潭底，
寫出黃金盤。
藍水色似藍，
日夜長潺潺。
周回繞山轉，
下視如青環。
或鋪為慢流，
或激為奔湍。
泓澄最深處，
浮出蛟龍涎。
側身入其中，
懸磴尤險艱。
捫蘿蹋樛木，
下逐飲澗猿。
雪迸起白鷺，
錦跳驚紅鱣。
歇定方盥漱，
濯去支體煩。
淺深皆洞徹，
可照腦與肝。
但愛清見底，
欲尋不知源。
東崖饒怪石，
積甃蒼琅玕。
溫潤發於外，
其間韞璵璠。
卞和死已久，
良玉多棄捐。
或時泄光彩，
夜與星月連。
中頂最高峰，
拄天青玉竿。
𪕍𪕌上不得，
豈我能攀援。
上有白蓮池，
素葩覆清瀾。
聞名不可到，
處所非人寰。
又有一片石，
大如方尺磚。
插在半壁上，
其下萬仞懸。
雲有過去師，
坐得無生禪。
號為定心石，
長老世相傳。
卻上謁仙祠，
蔓草生綿綿。
昔聞王氏子，
羽化升上玄。
其西曬藥台，
猶對芝朮田。
時復明月夜，
上聞黃鶴言。
回尋畫龍堂，
二叟鬢髮斑。
想見聽法時，
歡喜禮印壇。
復歸泉窟下，
化作龍蜿蜒。
階前石孔在，
欲雨生白煙。
往有寫經僧，
身靜心精專。
感彼雲外鴿，
群飛千翩翩。
來添硯中水，
去吸岩底泉。
一日三往復，
時節長不愆。
經成號聖僧，
弟子名楊難。
誦此蓮花偈，
數滿百億千。
身壞口不壞，
舌根如紅蓮。
顱骨今不見，
石函尚存焉。
粉壁有吳畫，
筆彩依舊鮮。
素屏有褚書，
墨色如新乾。
靈境與異跡，
周覽無不殫。
一遊五晝夜，
欲返仍盤桓。
我本山中人，
誤為時網牽。
牽率使讀書，
推挽令效官。
既登文字科，
又忝諫諍員。
拙直不合時，
無益同素餐。
以此自慚惕，
戚戚常寡歡。
無成心力盡，
未老形骸殘。
今來脫簪組，
始覺離憂患。
及為山水遊，
彌得縱疏頑。
野麋斷羈絆，
行走無拘攣。
池魚放入海，
一往何時還。
身著居士衣，
手把南華篇。
終來此山住，
永謝區中緣。
我今四十餘，
從此終身閑。
若以七十期，
猶得三十年。
<End Poem>
<Translation>
元和九年の秋、
八月　月の上弦。
われ悟眞寺に遊ぶ、 
寺は王順山にあり。
山を去ること四五里、
まづ聞く水の潺湲たるを。
ここより車馬を捨て、
始めて藍溪の灣を涉る。
手に青竹杖を拄き、
足に白石の灘を蹋む。 
やうやく怪む耳目の曠く、 
人世の諠、しきを聞かざるを。 
山下より山上を望めば、 
初は攀づべからざるかと疑ふ。
誰か知らん中に路あり、
盤折して巖巔に通ずるを。
一たび幡竿の下に息ひ、
再び石龕の邊に休む。 
龕間　長さ丈余、
門戶に扃關なし。 
俯して窺ふも人を見ず、
石髪　垂れて鬟のごとし。
驚き出づ白蝙蝠、
雙飛して雪の翻るがことし。 
首を廻らして寺門を望めば、 
青崖　朱軒を夾む。 
山腹を擘いて開くがごとく、
寺をその間に置く。
門に入れば平地なく、
地窄くして虚空寛し。
房廊と臺殿と、 
高下  がんがく峯巒に隨ふ。 
厳崿に撮土なく、 
樹木おほくは痩堅なり。 
根株　石を抱きて長じ、 
屈曲　蟲蛇　蟠る。 
松桂　亂れて行なく、
四時　鬱として芊芊。
枝梢に清吹　嫋たり、
韻は風中の絃のごとし。
日月　光透らず、
綠陰あひ交延す。 
幽鳥　時に一聲、 
これを聞けば寒蟬に似たり。 
首に賓位亭に憩ひ、 
坐に就きていまだ安んずるに及ばず。 
須臾して北戸を開けば、 
萬里　明かにして豁然たり。 
簷を拂ひて虹　霏微たり。 
棟を遶りて雲　廻旋す。 
赤日　白雨に間り、
陰晴　一川を同くす。 
野綠　草樹　蔟り、
眼界　秦原を呑む。
渭水　細くして見えず、
漢陵　拳よりも小し。 
かへって來時の路を願れば、 
縈紆　朱欄に映ず。 
歷歷たり山に上るの人、
一一　遙に觀るべし。 
前は對す多寶塔、
風鐸　四端に鳴る。 
欒爐と戶牖と、
恰恰として金碧繁し。 
いふ昔　迦業佛、
この地にて涅槃を坐すと。 
今に至るまで鐵鉢あり、
底に當りて手跡穿つ。 
西に玉像殿を開く、
白佛　森として肩を比ぶ。
塵埃の衣を抖擻し、 
冰雪の顔に禮拜す。 
霜を疊みて袈裟となし、
雹を貫きて華鬘となす。
逼り觀て鬼功かと疑ふ、 
その跡　雕鐫にあらず。
ついで觀音堂に登るに、
いまだ到らずして栴檀を聞く。
階に上りて雙履を脱ぎ、 
足を斂めて浄筵に升る。 
六楹　玉鏡を排べ、
四座　金鈿を敷く。
黒夜おのづから光明あり、
燈燭の燃ゆるを待たず。
衆寶たがひに低昂、 
碧佩　珊瑚の幡。 
風來れば天樂に似て、
あひ觸れて聲珊珊。 
白珠は垂露　凝り、
赤珠は滴血　殷し。 
佛髻の上に點綴し、
合して七寶冠となる。 
雙瓶の白琉璃、 
色は秋水の寒きがごとし。
瓶を隔てて含利を見れば、
圓轉たること金丹のごとし。
玉笛　いづれの代の物ぞ、
天人　祇園に施す。
吹けば秋鶴の聲のごとく、 
もって靈仙を降すべし。
このとき秋まさに中、
三五　月まさに圓なり。 
寶堂　三門　豁く、
金魄その前に當る。 
月と寶とあひ射て、 
晶光　鮮妍を爭ふ。 
人を照して心骨冷かに、
竟夕　眠るを欲せず。
暁に南塔の路を尋ぬれば、 
亂竹　低れて嬋娟たり。
林　幽にして人に逢はず、
寒蝶　飛びて翾翾たり。
山果　名を識らず、
離離として道を夾みて蕃し。 
もって飢乏を療すに足り、
摘みて嘗むれば味　甘酸。
道南に藍谷神あり、 
紫傘と白紙錢。 
もし歳に水旱あれば、 
詔して蘋蘩を修へしむ。 
地の清浄なるをもっての故に、 
獻典に葷膻なし。 
危石　四五を疊み、
藟嵬として欹し且つ刓らる。
造物者は何の意ぞ、
堆くして巖の東偏にあり。
冷滑　人迹なく、
苔　點じて花牋のごとし。
われ来りて上頭に登り、
下は不測の淵に臨む。
目眩ぎて手足掉ひ、
あへて頭を低れて看ず。 
風は石下より生じ、 
人に薄りて上り摶つ。
衣服は羽翮のごとく、
開張して飛び騫らんとす。
雙雙たり三面の峯、 
峯尖に刀剣攢まる。
往往　白雲　過ぎ、 
決開して青天を露ず。 
西北　日落るの時、
夕暉　紅くして團團たり。
千里　翠風の外。 
走下す丹砂の丸。 
東南　月上る時。 
夜氣　清くして漫漫たり。 
百丈　碧潭の底、
寫し出す黄金の盤。
藍水は色　藍に似て、
日夜長く潺潺たり。
周迴じて山を繞りて轉じ、
下視すれば青環のごとし。
或は舗きて慢流となり、 
或は激して奔湍となる。 
泓澄もっとも深き處、 
浮び出づ蛟龍の涎。
身を側でてその中に入れば、
懸磴もっとも險難。 
蘿を捫して穋木を踏み、
下りて澗に飲む猨を逐ふ。
雪进りて白鷺　超り、 
錦跳りて紅鱣　驚く。
歇定してまさに盥激し、
濯ひて支體の煩を去る。 
淺深みな洞徹し、
腦と肝とを照すべし。
ただ愛す清くして底を見るを、
尋ねんと欲するも源を知らず。 
東崖に怪石　饒く、
積甃す蒼琅玕。 
温潤　外に發して、
その間に璵璠を韞む。
卞和　死してすでに久しく、 
良玉おほく棄捐せらる。
或は時に光彩を洩し、 
夜　星月と連る。
中頂の最高峯は、
天を拄ふ青玉の竿。 
𪕍𪕌も上り得ず、
あにわれ能く攀援せんや。
上に白蓮池あり、
素葩　清瀾を覆ふ。 
名を聞けども到るべからず、
處所　人寰にあらず。
また一片の石あり、 
大方足の磚のごとし。 
插みて半壁の上にあり、
その下　萬仞　懸る。
いふ過去の師あり、 
坐して無生の禪を得たりと。 
號して定心石となし、
長老　世々あひ傳ふ。 
却き上りて仙祠に謁すれば、 
蔓草　生じて緜緜たり。
むかし聞く王氏の子、
羽化して上玄に升ると。 
その西に曬薬臺あり、
なほ芝朮の田に對す。 
時にまた明月の夜、
上に黄鶴の言を聞く。 
廻りて書龍堂を尋ぬれば、
二叟　鬢髮　斑なり。
想ひ見る法を聴くの時、
歡喜して印壇に禮し、
また泉窟のでに歸り、 
化して龍の蜿蜓たるをなすを。
階前に石孔あり、
雨らんとすれば白姻を生ず。
さきに寫經の僧あり、
身靜かにして心　精專なり。 
かの雲外の鴿を感ぜしめ、 
羣飛して千翩翩たり。 
來りて硯中の水を添へ、  
去りて巖底の泉を吸ふ。 
一日に三たび往復し、 
時節　長くはず。
經成りて聖僧と號し、
弟子を揚難と名く。 
この蓮花の偈を誦し、 
數は滿つ百憶千。
身壞るれども口壊れず、
舌根　紅蓮のごとし。
顱骨いま見えず、 
函なほ存せり。
粉壁に吳畫あり、 
筆彩　舊に依りて鮮かなり。
素屏に褚書あり、
墨色あらたに乾くがごとし。 
靈境と異跡と、
周覧して殫さざるなし。 
一遊　五晝夜、 
返らんと欲してなほ盤桓す。 
われはもと山中の人、
誤りて時網に牽かる。
牽率して書を讀ましめ、
推挽して官に效へしめらる。
すでに文字の科に登り、
また諫諍の員を忝うす。 
拙直にして時に合はず、
益なければ素餐に同じ。  
ここをもって自ら慚惕し、 
戚戚として常に歡すくなし。  
成るなくして心力盡き、 
おいまだ老いずして秋骸残す。
今來　簪組を脱し、
始めて憂患を離るるを覺ゆ。 
山水の遊をなすに及んで、 
いよいよ疎頑を縦にするを得。
野糜　羈絆を斷ち、
行走に拘攣なし。 
池魚　放れて海に入り、 
一往 いづれの時か還らん。
身に居士の衣を着け、 
手に南華の篇を把る。
つひにこの山に來りて住し、
永く區中の縁を謝せん。 
われいま四十除、
これより身を終ふるまで閑ならん。
もし七十をもって期せば、  
なほ三十年を得ん。
<End Translation>